2009年08月05日
『私のゴルフ』 備前焼陶芸作家 難波 誠治 -その3-
ゴルフは「出会い」と「縁」
そして「道具愛」
難波さんがゴルフを始めて10年近く。始めた当時は誰かに教えてもらいたくて、練習場へ出掛けては他人のスイングをじっくりと観察し、その中で一番スイングのきれいな人にゴルフを教えてもらうことにしていた。
さんざん観察してこの人だと決めて話し掛けたところ、なんと偶然にもその人が父親の周作さんの友人だったことがわかり、人の『縁』を感じたという。
難波さんのゴルフスタイルは、他の人から見ると一風変わって見えるかもしれない。なぜならゴルフをしている間中、ゴルフ "クラブと会話" をしているのだから。ナイスショットであれば「お前マジ最高!」と誉める。
仕事柄だろうか、道具への愛情は人一倍。ゴルフ雑誌の読み方もギアの載っているページから開く。レッスンのページも、プロの持っているクラブの“状態”を重点的に観察する、道具への思い入れは半端ではない。
「僕は他人のクラブは触らない主義なんです」
聞けば、他人のドライバーを試打することは基本的にしないし、当然ながら自分のクラブも滅多に人に触らせたりしない。誰かが自分のものを触ると、精神的な違和感を覚えてしまって集中できない。自分の物でなくなったような例えようのない感じ…。
道具に関しては仕事道具も然りで、自分の「へら」などはどんなに親しい人でも絶対に使わせない。人が使うことで、粘土を削る位置まで変わる気がするという。
陶芸家として潔癖ともいえそうなこだわりの根底には父・周作さんの教えがあった。
「道具は大切にしなさい」
『大切にする』ということには意味がある。いつもベストな状態で長持ちさせることと、道具に対して "責任感をもつ" ということだ。
道具を大切にしている人というのは、自分の目で選び、愛し、練習して使いこんで、自分の分身と認めている人。道具に対して「責任感」がある人はきっと、ミスショットをしてもクラブのせいにはしない。
そんな難波さんの思いがクラブへ伝わるのだろうか、過去にこんなことがあった。
小遣いをコツコツと貯めて、ゼクシオのフォージドアイアンセットを買おうとしていた矢先、難波さんの奥さまとお母さまが温泉旅行の計画を立てていることを知る。そこで難波さんは、潔く大切な貯金を温泉旅行の資金として、二人にプレゼントしたのだった。
「後から考えれば1泊の思い出のために、なんでこんなことをしてしまったのかと(笑)。アイアンセットは大事に使えば思い出が増えるのにね」
と激しく後悔したという難波さんは、その話を笑い話としてお客さんにしたところ、そのお客さんが偶然にも難波さんが欲しがっていたアイアンセットを持っていたことが判明。
(右上へ続く)
「親孝行をしましたね」
と、そのお客さんはアイアンセットを譲ってくれた。こうして難波さんは憧れの「ゼクシオフォージドアイアンプロトタイプ」を手に入れたのだった。
この話にはまだ続きがある。
難波さんは、滅多に行くことのない練習場で、手に入れたアイアンを使いこなすべく、打球練習を始めた。ところがこれがまったく当たらない。憧れのアイアンが打ちこなせない。頭を抱えたその時、一人のシングルプレーヤーが難波さんに声を掛ける。
「どんなクラブも慣れるとよくなりますよ。7番と6番で素振りしてから打ってみてください」
と難波さんに助言したのだった。早速試してみると、今まで当たらなかったアイアンが劇的に当たるようになり、難波さんは感激のあまりそのシングルプレーヤーに強く感謝した。
その時難波さんは、「やはりゴルフは出会いだな」と思うのだった。

アイアンは、お客さんからプレゼントされた宝物。自慢の「ゼクシオフォージドプロトタイプ」。

フェニックスCCでラウンドした際にもらったタグ。この時はすべてバックティから打たせてもらえて感激だったそう。